【 健康情報 】 > 胃もたれ、胃痛、胸やけ(機能性胃腸症)の話

 社会の変化が著しく、その変化に対応しようとして私たちは常に肉体的・精神的ストレスを受けています。その影響か、ある調査によると日本の成人の4人に1人が、胃に何らかの症状を持っている結果が出ています。 中でも特に多いのが「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」の3つと言われています。

ところが、内視鏡などの検査で調べても、多くの人には胃の異常が見つからず、胃の働きが悪くなって、「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」などの症状がでているようなのです。

そして、これらのような症状を起こす病気を「機能性胃腸症」と呼んでいます。

そこで今回はこの機能性胃腸症による、「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」についてお話をしましょう。

胃もたれ、胃痛、胸やけの各タイプとその原因は…

◎胃もたれタイプ(運動不全型)

症状 : 胃のもたれ、膨満感、食欲不振、むかつき

原因 : 不規則な食生活、食べすぎ、ストレスなどで胃の運動機能が低下し、

      食べ物を消化する速度が遅くなり、胃の中に食べ物が滞るために起こります。

◎胃痛タイプ(潰瘍症状型)

症状 : みぞおちの痛み、重苦しい痛み、空腹時の痛み

原因 : 不規則な食生活、食べすぎ、ストレスなどで胃の運動機能が促進されると考えられています。

◎胸やけタイプ(逆流症状型)

症状 : 酸っぱいものが込み上げる、胸が熱くなる

原因 : 食べすぎ、長時間前かがみになるなどして、胃酸が食道の方へ逆流するために起こります。

胃もたれ、胃痛、胸やけの各タイプとその原因は…

胃もたれタイプは胃の働きを盛んにする「消化管運動促進薬」

胃痛タイプは胃酸を抑える「酸分泌抑制薬」「H2ブロッカー」

胸やけタイプは食道に胃酸が逆流しないように「消化管運動促進薬」や「酸分泌抑制薬」

を状態に応じて使い分けるようです。

またお薬だけでなく、普段の養生が大切になります。

(1)食べる量は控えめに

食べる量は「腹八分目」にすれば、胃の働きに余裕ができ、胃に負担をかけることなく消化できます。

(2)規則正しい食生活を

例えば、朝食を抜くと空腹時間が長くなるため、昼食時についつい食べすぎてしまいます。そのため、胃に負担がかかって機能が乱れてしまいます。

(3)食後はなるべく休む

食後すぐに動き出すと、血液は手足に流れて胃には十分な量が流れずに、消化不良や腹痛を引き起こす原因になります。

(4)消化の良いものを

胃に負担をかけないためにも消化の良いものを食べることが大切です。一般的に消化が良く、胃内滞留時間が短いのは炭水化物やたんぱく質で、脂分の多いステーキなどは時間がかかります。

(5)冷たいものは取りすぎない

冷たい食べ物や飲料水は胃の働きを悪くしますので、取りすぎないように注意しましょう。

漢方療法・中医学療法