【 健康情報 】 > 歯周病の話

厚生労働省による平成20年の調査結果では、『歯および歯の支持組織の疾患』の総患者数は600万人以上、3年前に比べて6%増加しています。

近年、中高年の8割以上が歯周病を患っていると推測されているものの、早い段階では自覚症状が現れにくいため、進行を見逃してしまっていることも少なくありません。

そこで、今月は『歯周病』についてお話しすることにしましょう。

『歯周病』が起きるしくみ

歯は、歯肉、歯根[しこん]、歯を支える歯槽骨[しそうこつ]、歯と歯槽骨をつなぐ歯根膜[しこんまく]という4つの組織によって支えられています。歯周病は歯周病菌が原因で、この歯周組織に炎症が起こる病気で、次のような段階を踏んで徐々に症状が進行します。

① 歯周病の進行ステップ
② 歯周病をチェックするには?

歯周病は、自覚症状がないからといって放置しておくと、気付かないうちに進行してしまいます。

できるだけ早く歯周病に気付くために、次の項目に当てはまるかをチェックしてみましょう。

これらのチェック項目の何れかに当てはまる場合は、歯周病の可能性が疑われます。

歯周病を進行させないためにも、定期的に歯科で状態をチェックしてもらうことが大切です。

③ 歯周病は全身に影響するの?

歯周病は、歯だけの問題と思われがちですが、最近の研究で全身に影響を及ぼす可能性があることも指摘されています。 歯周病が関連してリスクが高まると考えられている病気には、次のようなものがあります。

こうした全身への影響を起こさないためにも、定期的に歯茎の状態をチェックし、歯周病による炎症が慢性化しないよう、気を付けましょう。

『歯周病』を予防するための養生法

1) 毎日の歯磨きは欠かさずに!
  • 歯周病の進行を防ぐには、毎日の歯磨きで歯に付いたプラークを取り除く必要があります。毎食後、とくに就寝前は丁寧に、歯ブラシで磨き残しがないように磨きましょう。
  • 時間とともに石灰化して歯石が歯に沈着すると、歯磨きでは落とせなくなるため、少なくとも半年に1回は歯科でプラークや歯石を取り除いてもらうのが理想的です。
2) 甘いものは控え、肥満や糖尿病などを招く生活習慣の見直しを!
  • 甘いものを摂りすぎる生活習慣は、歯周病菌を増えやすくするため、控えましょう。
  • また、肥満や糖尿病になると、歯周病菌に対する免疫力も低下して、歯周病を進行させやすくなります。
3) 喫煙は避けるようにしましょう!
  • タバコに含まれるニコチンは、歯肉の血流を悪くしてしまいます。
  • 歯周病の予防や悪化を防ぐためにも、喫煙習慣は見直しましょう。
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