【 健康情報 】 > 更年期障害の話

疲れ・のぼせ・発汗・不眠・イライラ・腰痛・肩こりなどがある…。

こんな症状でお悩みの“50歳前後の女性”の方は多いのではないでしょうか。この症状は更年期に起こることが多いので、「更年期障害」と呼ばれています。

また、最近では“20歳代、30歳代の若い女性”に更年期障害のような症状を訴える人が増えていて、この若い世代の更年期様の症状を「プチ更年期」や「若年性更年期」※1と呼んでいるようです。

今回は、このような更年期障害のつらい症状について、お話しましょう。

更年期とは ※2

女性の一生の中で閉経前後の数年間をさし、成熟期(生殖期)から老年期(生殖不能期)への移行期を言います。

更年期は個人により一定していませんが、一般的に45~55歳くらいの間と言えます。

更年期障害とは

更年期に現れる不定愁訴※3を総括した症候群を言います。

【更年期障害とは】

更年期に現れる不定愁訴※3を総括した症候群を言います。

更年期になりますと…


女性ホルモンを分泌する卵巣機能が衰えはじめ、女性ホルモンの分泌が減少します。(これにより生理不順からついには閉経に至ります)

この変化に対応し、卵巣の機能を戻そうとする為、脳から卵巣を刺激するホルモンを大量に分泌します。

このホルモンを大量に分泌しようとすることが、脳の自律神経中枢に悪影響を与え、自律神経の働きが乱れ、さまざまな症状を起こすようになります。

つまり、女性ホルモンの減少に身体が適応しようとして、体内に“ひずみ”が発生し、身体症状や精神症状が発現するわけです。

また、この時期は精神的・心理的な要因(子供の成長や独立、経済的な不安、夫の理解不足など)があり、さらに性格(几帳面、まじめなど)が複雑に絡んで、更年期障害が起きると考えられています。


※1 プチ更年期(若年性更年期): 20歳代、30歳代の若い女性に現れる更年期障害様の症状のことを巷(ちまた)で「プチ更年期」や「若年性更年期」と呼んでいるようです。とくに働く女性を中心に、疲労やストレス(仕事の責任、人間関係の悩み)、急激なダイエットなどによって、卵巣機能が低下することが原因と言われています。
※2 男性更年期: 最近では男性にも見られるという説があり、性欲減退、インポテンス、疲労感などがみられるようです。原因は女性の場合と同様に身体の変化(男性ホルモンの減少)や精神的・心理的要因が絡んでいます。
※3 不定愁訴: 病人の自覚症状を説明する他覚的所見や変化がないか、乏しいかにより愁訴(ツライ症状)を説明する医学的根拠がないものを言います。

更年期障害の症状とは

ある調査によると、更年期障害による各症状の発症率は、右表のようになっていて、更年期に種々のつらい症状で悩んでいることが分かります。

現代医学での対策は

更年期障害の治療方法には、ホルモン療法と非ホルモン療法があります。

1.ホルモン療法

女性ホルモンを用いた治療は、更年期の不定愁訴に有効と言われています。しかし、女性ホルモンを外から補充していると、女性ホルモンの減少に対して身体が適応する本来の働きが上手く機能せず、身体がいつまでもホルモンに頼ってしまうことにつながります。

2.非ホルモン療法

非ホルモン療法には薬物療法とカウンセリング(心理療法)があります。

一般的には薬物療法が主で、頭痛、イライラ、不眠、うつ状態、手足のしびれなどの各症状に対応しますが、あくまでも対症療法になります。

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