【 健康情報 】 > ニキビ・皮膚病の話

「青春のシンボル」とも呼ばれ、思春期には誰しも一度は経験があるニキビ。最近では、20代以降の大人ニキビに悩まされる方も増えているようです。

今回は、ニキビができるしくみとその改善策について紹介しましょう。

ニキビの原因は

ニキビは10代の始め、第二次性徴期とともにでき始め、高校生の頃に最も悪化します。ニキビがこの時期に起こりやすいのは、ニキビの原因に男性ホルモンが大きく関係しているからなのです。

男性ホルモンは、女性の体内でも分泌されます。特に思春期の時期や、大人の女性でも生理の前にはホルモンのバランスが崩れやすくなります。その結果、女性でも男性ホルモンの働きが強くなり、ニキビが出来やすくなるのです。


男性ホルモンは、皮脂の分泌を増加させる働きがあります。 男性ホルモンの増加によって皮脂が大量に分泌されると毛穴が詰まり、毛孔(毛の生えてくる孔(あな))の中でアクネ菌が増殖して炎症が起き、ニキビが出来てしまいます。


◎ニキビができるのはアクネ菌のせい?

アクネ菌というと「ニキビを起こす悪い菌」と考えている人も多いかと思いますが、アクネ菌自体は誰の肌にでもいる菌(常在菌)の一種。ニキビを悪化させる要因の一つにはなるものの、アクネ菌だけが原因でニキビが起こるわけではありません。

アクネ菌は空気が苦手な菌(嫌気性菌)であるため、毛孔の中に住み着いています。普段はおとなしくしているアクネ菌ですが、皮脂を栄養に増殖する性質のため、皮脂の分泌が増えると多量に増え、ニキビを悪化させていくのです。


ニキビができるしくみは

ニキビは毛孔に起こる疾患です。毛孔は皮膚の奥で皮脂腺(皮脂が分泌される腺)とつながっています。皮脂腺から分泌された皮脂は、毛穴を通って皮膚の表面へと出てきます。

皮脂は皮膚の表面を保護し、潤いを与える働きがあるのですが、分泌される量が増えすぎると、ニキビができやすくなってしまいます。

では次に、ニキビができる仕組みを、順を追って説明しましょう。

▼ ニキビができるしくみ

「面皰(めんぽう)」

男性ホルモンの分泌が増えると、皮脂腺が刺激され、皮脂が大量に分泌されます。すると、皮脂が毛穴を通過しきれず詰まってしまい、皮脂や角質が毛孔の中に溜まって、しだいに膨らんでいきます。

これがニキビの初期、「面皰(めんぽう)」と呼ばれる状態です。


「丘疹(きゅうしん)」

面皰ができると、元々毛孔の中にいたアクネ菌が、皮脂を栄養源として急激に増殖を始めます。すると患部は炎症を起こし、赤く腫れてきます。

この状態は「丘疹(きゅうしん)」と呼ばれます。

これが一般に言うニキビの状態です。


「膿疱(のうほう)」

さらに症状が進行すると、患部は化膿を起こし、毛孔の中に膿が溜まってきます。炎症・腫れはさらに強くなり、痛みを伴うこともあります。

この状態は「膿疱(のうほう)」と呼ばれます。

外見上は、赤く腫れたニキビの中心部に黄色い膿が見えている状態です。


このようにニキビは、過剰な皮脂の分泌が主な原因で起こります。そのため、顔や胸、背中など、皮脂腺が多く、皮脂の分泌が活発な部分にできやすいのです。

また皮脂の分泌過剰のほかにも、一時的なビタミン代謝異常、ストレス、自律神経の乱れ、胃腸の働きの不調…等、様々な原因が加わることで、ニキビは発生・悪化します。

現代医学での治療法は

皮脂の分泌を抑える外用薬や、アクネ菌の増殖を抑える外用薬が使用されます。

またニキビの数が多い時には、抗生物質の内服薬なども使われます。

しかしこれらの薬は、使用している間はニキビの発生を抑えることが出来ても、使用を中止するとニキビが再発してしまうことが少なくありません。

ニキビの養生法

こまめな洗顔

ニキビの予防・改善のためには毛孔に皮脂を詰まらせないようにすることが大切!特に皮脂の分泌が多くなる夏場や生理前には、洗う回数を増やしたり、洗顔の際に冷水よりぬるま湯を使うと効果的です。

頭髪・衣服が患部に触れないようにする

ニキビが出来ているところに頭髪や衣類がかかると、皮脂の除去が邪魔されたり、刺激によってニキビが悪化することがあるため、なるべく避けるほうがよいでしょう。

お化粧の方法

油性のものや、皮膚への粘着性が高いものは、毛孔を塞いでニキビを悪化させてしまいますので、避けた方が良いでしょう。また、ニキビを隠すために厚化粧をすることは、ニキビの悪化を促進してしまいます。

バランスの良い食事を心がける

健康な皮膚をつくるためにはビタミン類を充分に取る必要があります。また便秘はニキビを悪化させる要因になりますので、食物繊維を積極的に摂ることを意識しましょう。

ストレスを溜めない、しっかり発散する

ストレスがかかると、ホルモンバランスを始めとする身体の働きが乱れてしまいます。睡眠をしっかりとり、ストレスを発散できる方法を実行しましょう。

漢方療法・中医学療法