今回は血の不足についてお話していきます。
まずは血液の主な働きをあげてみましょう。
・ 酸素を全身の細胞へ運ぶ
・ 栄養素を各組織へ運ぶ
・ 老廃物を運び出す
・ 体を温める
大まかにあげて血液は主にこれら一連の働きをしています。
血液が不足すると各細胞や臓器は酸欠、栄養失調状態になり、疲労や息切れ、動悸が起こったり、体が冷えるようになります。
さて、この一般的に言われている「血液」と中医学で言う「血(けつ)」とは厳密に言うとイコールではありませんが、ほぼ同等なものとして捉えて頂いても構いません。
そして、この「血」の不足している状態を中医学では「血虚(けっきょ)」といいます。
特に女性は「血」が不足しやすく、現代女性のほとんどに「血虚」の状態がみられます。 婦人科疾患や美容のトラブルに結びつくことが多いので、早めの改善をお勧めしています。
これはよく聞かれる質問です。 「貧血」とは、血液中の赤血球や、赤血球中に含まれるヘモグロビンの量が正常値を下回った状態を指すものです。
血中の成分(血色素)が足りないよ!ということ。血が薄いということですね。
それに対し、「血虚(けっきょ)」とは中医学的な捉え方で、西洋医学的な基準値を満たしていても、めまい、立ちくらみ、肌の乾燥など(詳しくは後の項で紹介します)「血」が不足すると起こる症状がみられれば「血虚(けっきょ)」とみなします。
検査の数値というのはひとつの目安ではありますが、一番重要なことは、実際につらい症状があるかないかです。 たとえ赤血球や白血球の数が正常でも形や働きが悪ければ貧血と同じような症状がでるからです。
めまいや立ちくらみなど貧血様の症状があっても数値は正常だからとそのままにしておくのではなく、数値に現れた頃には程度が悪くなっているということなのですから、発せられたサインにはいち早く気づいて対処することが大切です。
では血虚の症状についてみてみましょう。
当てはまる項目が多いほど血虚の体質であるといえます。
・ めまいや立ちくらみがする
・ 顔色が青白くつやがない
・ だるい、疲れやすい
・ 髪がパサつき抜けやすい
・ 肌が乾燥しやすい
・ 目が疲れやすい
・ 爪が割れやすい
・ 手足の冷え、またはしびれ
・ 生理の血の色が薄い、または量が少ない
・ 生理が遅れがち
・ 不眠、途中で目が覚める
・ 舌が薄く色が淡い
ミネラルやポリフェノールを多く含み、血を増やす作用や体温を上げる働きがあるので積極的に摂りたい食材です。
例えば、トマト、クコの実、黒きくらげ、黒ゴマ、黒まめ、黒砂糖、黒米、烏骨鶏など。その他、レバー、ほうれん草、金針菜、人参、牡蠣、なつめ、豚肉、などもよいですね。
すべてのタイプに言えることではありますが、特に血虚体質の方はこれが原因であることが多いため、まずはここから見直しを!
食べたくなったらなつめやブルーベリー、レーズン、プルーンなど自然の甘みや酸味のあるドライフルーツを摂るようにすると血を補う働きも兼ね備えていてGOOD!