生殖年齢の女性のうち20%の割合で発生すると言われており、悪性化するのは0.5%以下である。 特に30~40代に好発する。
子宮筋腫とは子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、30代~40代でもっとも多くみられ、小さなものまで含めるとなんと3人に1人の成人女性がもっているといわれています。
できる場所によって3つのタイプにわけられます。
子宮の筋肉内で育つ筋腫。もっとも多いタイプで全体の80%をしめる。
月経量が多く出血期間も延長する。
外側を覆う漿膜方向にふくらむ。
かなり大きくなっても症状が出にくい。
子宮の内側に向かって育つ筋腫。
ときに不正出血がありダラダラと止まらない。
自覚症状は、月経量が多い・レバー状の血塊がある・月経痛がひどい・立ちくらみやめまい倦怠感がある・貧血がある・腹部の圧迫感やしこりがある・排便が困難・おりものが多いなどがあります。
5センチ以上になってしまった子宮筋腫は、小さくすることがなかなか難しくなります。
どんどん大きくなってしまう進行性の筋腫の方や、もうすでに大きくなってしまっている方は、手術を念頭においていただいた上で、進行を遅らせたり痛みや不調などの症状緩和のために服用していただく形になります。
3センチ以下の筋腫であれば小さくなる可能性もあり、3センチの筋腫がほぼ改善した例や、3つあった筋腫がサイズが小さくなってさらに2つに減った例もあります。
今のところ筋腫ができる詳しい原因はわかっていません。
ただエストロゲン(卵胞ホルモン)による過度な刺激が原因といわれ、またある学者によると長期間にわたる不規則な生活から慢性的に子宮内が充血しそれが筋腫誘発の原因ではないか・・と。
中医学では昔から腫瘍が形成される原因は、お血(血流が滞った状態)と気滞(気がスムーズに流れない状態)と痰湿(余計な水分が溜まっている状態)であるとされ、筋腫は特にお血が主な原因で次第に気血両虚・肝腎不足の状態になると言われています。
つまり女性の晩婚化で出産年齢も高くなったことや未婚で出産を経験しないことで、エストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受ける期間が長くなったことや、女性の社会進出で男性と同じようなストレスを受ける不規則な生活がこのような病態を引き起こしていると考えられます。
受精卵をしっかりと着床させるためには温かでフワフワした子宮内膜が必要です。
しかし筋腫に血液をとられ身体は貧血状態な上、血流が悪い「お血」であると良い内膜をつくることはできません。
また運良く着床できても子宮内腔にせり出した大きなコブが胎児の発育を邪魔する可能性は大です。
赤ちゃんが押しのけてくれたらラッキーですよね。
「なかなか赤ちゃんを授からない・・・」
不妊症に悩む夫婦が年々増加傾向にあり10組に1組の夫婦が不妊症で悩んでいると言われています。 一般的に2年間夫婦生活を営んでいても妊娠しない場合を「不妊症」といい、その原因は男女ともにありますが、精神的・身体的に大変複雑です。 そのうち不妊原因が女性側にある場合、例えば子宮に問題があることで着床が阻害される・排卵がうまくいかない・卵管や子宮頚管に障害があるといったことがあげられます。 |
西洋医学ではホルモン剤で一時的に月経を止め筋腫を小さくする薬物療法と筋腫のみを取る核出術などの外科的療法があります。
身体に悪影響を及ぼし筋腫を持ち続けることが困難である場合には取り除いたほうがよいかと思いますが、切迫した状況でなければ、筋腫の原因である血お・気滞・痰湿を取り除き、気血や肝腎を補うような漢方薬を服用することが、より妊娠しやすい身体作りにつながるのです。 またふだんから快食快眠快便の生活を心がけてストレスをうまく発散させ、身体を冷やすような服装や飲食は避けましょう。
漢方薬の服用をご希望される場合、その方の体質によって種類が異なることがありますので薬局でご相談ください。
※ 「症例・体験談」で紹介している症例内容は、あくまで参考程度にして下さい。
※ 服用薬の効果は個人の体質・症状によって変わります。
※ また、「経過」についても個人の体質・症状などによって変わります。