不妊症とは正常な夫婦生活があって、2年以内に妊娠しない場合をいいます。これは、通常、夫婦の90%以上が2年以内に妊娠するという事実に基づいています。
過去に妊娠の経験がないものを原発性不妊、妊娠したことはあるがその後2年以上妊娠しない場合を続発性不妊と言います。 子供が欲しい夫婦にとって不妊は切実な問題です。
男性の不妊症の原因のほとんどが精子の数が少ないか、または元気がない場合です。まれに無精子症があります。
女性の不妊症の原因のほとんどの場合は、子宮内の血液の循環が悪く血液がスムーズに流れておりません。 ホルモンの分泌が悪く、大きくて立派な卵子が成長しないことが多いようです。又、黄体の機能が悪いため子宮内膜の状態が悪くせっかくの受精卵が子宮内膜に着床しにくくなっています。
仕事や人間関係の悩みなどが引き金になり、視床下部の働きに不調をきたし、下垂体への命令を一時的にストップさせてしまうことがあるのです。 そのため、一時的に排卵が止まってしまいます。
そのほか、睡眠不足・過激なダイエット・肥満なども排卵を止めてしまうことがあるので、注意が必要です。
【 因 子 】 | 【 内 容 】 |
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排卵因子 |
排卵に導くホルモンの分泌が不調。多嚢胞性(PCO):卵巣で卵胞がうまく発育しない。若い女性に最近多い。 LUF:卵胞の破裂が起こらない。 |
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卵管因子 |
卵管が閉塞している場合もあるが、卵子が取り込まれない。 受精、分割の環境が不良などの機能不全も含まれる。 |
着床因子 |
子宮内膜の不良。(子宮内膜が薄い、パターンの不良。)黄体機能不全子宮筋腫、内膜ポリープ、子宮腺筋症。 |
頚管因子 |
精子が子宮管内に入らない。 頚管粘液の不良。 ヒューナーテスト不良。 抗精子抗体(免疫的に精子を殺す抗体)陽性。 |
子宮内膜症 |
子宮内膜組織が子宮内宮以外にできる。 不妊症、月経痛、性交痛の主な原因と見られ、不妊女性に高い確立で認められるが、子宮内膜症でも妊娠することがあるので、本当に不妊の「原因」なのかどうかはまだはっきりとわかっておらず、不妊が続く結果、子宮内膜症になるのではないかと考える人もいる。 |
年齢因子 |
卵子、子宮の老化。 30歳を超えると年に数%ずつ機能が下がり、35歳以上になると急に下がる。 特に卵子の老化が注目される。 |
原因不明 |
不妊原因が特定できない。 |
授乳を促すホルモンであるプロラクチンの分泌が増えてしまうため、排卵を止めてしまうものです。
排卵障害の原因の約20%を占めるといわれています。
胸が張って痛みがある、低温期から高温期に移行する際に時間がかかるなどはこれに当てはまるかもしれません。
抗体は本来、外部から体内に入る病原菌などの異物を排除するために作られます。しかし、精子を標的とした抗体が作られてしまう人もいます。 この抗体を抗精子抗体と呼びますが、不妊の原因になっていることがあります。
不妊症の原因の13%にもなっていると言われています。 この抗体は男性にも女性にもできることがありますから、不妊の検査をするときには二人とも検査を受けられた方がよいでしょう。
対処としてはコンドームの使用で3~6カ月間、夫の精液との接触を断ち、女性の側に抗体をつくらせないようにする方法のほか、人工授精や体外受精があります。
免疫性の問題としては抗精子抗体の他、抗核抗体や抗リン脂質抗体などがあります。
冷え・血行不良、胃腸虚弱、ホルモン分泌の乱れ、不規則・偏食傾向のある食生活、疲れ、ストレス、環境などは、不妊症になりやすい原因となります。
◎ 妊娠し易い身体になるために体質を改善し、また環境づくりを始めましょう! ◎
精子は射精されてから、卵子と出会い受精するまでに長い長い旅をします。
精子の大きさは1ミクロン(1000分の1ミリ)。卵子にたどり着くまでの実測距離は15cm位 ほどですが、それを成人男性に置き換えると 何と一日で250km~300kmを走る事になるそうです。(東京から名古屋までが約350km)
それだけの元気が男性に、精子に無ければ、受精はおぼつきません。
まずは、精液検査を受けましょう。 WHOの基準値は以下の通りです。
(病院によっては独自に基準値を定めているところもあります。)
これらの数値以下の場合には受精しづらい状況にあります。 異常が認められた場合には、超音波検査やホルモン検査などをする場合もあります。
精子は熱に弱いので、熱いお風呂に長く浸かったり、風通しの悪いブリーフをはくことによって精巣の温度が上がり、状態が悪くなります。
お酒は体に「熱」をこもらせると共に、「湿」を発生させます。 タバコ血行を悪くし、「血」状態を引き起こします。「湿熱」 と「血」は精子の運動を阻害します。 お酒・タバコはほどほどに。
ご飯を抜く、野菜を食べず肉ばかり食べるなどはダメ!食べた物から身体は作られます。
女性側の性周期にもよりますが、赤ちゃんを授かるチャンスは、年に10回~14回ほどしかありません。パートナーの性周期を把握し、月経期から排卵期までの約2週間は特に気を付けて体調を万全に整えましょう!