下記にて「基礎体温」「各周期」について案内しております。
基礎体温は、脳の視床下部、脳下垂体、卵巣からなるホルモン分泌系が正しく働いているかどうかを知る手がかり。
男性の基礎体温は毎日同じですが、女性は月経周期によって曲線を描きます。 この体温の曲線からいろいろなことが読み取れるため、治療の目安にもなります。
【 正 常 型 】
● 高温相が低温相より0.3~0.5℃高い。 ● 高温相は12~14日間。 ● 高温相へ1~2日で急激に上がる。 ホルモン分泌系がしっかり働き、一番妊娠しやすいタイプ |
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【 山 型 】
● 高温相の前後の体温が低い。 高プロラクチン血症、黄体機能不全、卵胞の未成熟の可能性がある。 |
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【 低 温 型 】
● 高温相の体温が低い。 ● 月経周期が延びる傾向がある。 黄体機能不全の可能性がある。 全体的に体温が低い場合、甲状腺機能低下症の可能性もある。 |
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【 ダ ラ ダ ラ 型 】
● 3日以上かけてゆっくり高温になる。 排卵がスムーズに行われていない、もしくは無排卵の可能性もある。 高プロラクチン血症の疑いももある。 |
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【 M 型 】
● 高温相に低温日が混ざり、体温が安定しない。 黄体機能不全の可能性がある。 生理前に、胸張りやイライラ、異常な食欲などの症状が現れることがある。 |
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【 一 相 型 】
● 体温の変動が0.3℃以下で、高温相を形成しない。 月経はあっても排卵がない無排卵性月経の可能性がある。
基礎体温はデリケートなものなので、ちょっとした体調の変化で変動します。1日ぐらい測り忘れても問題ありません。 あまり体温表にとらわれず、目安の一つと考えて気を張らずに続けてください。 |
中医学の治療を受ける際に、ぜひとも知っておいてほしいのが、中医学独特の「体質」の考え方です。
体質といっても「持って生まれて、一生変わらないもの」というわけではありません。
普段の生活や食事、季節、環境などによっても変化しますし、年齢によっても変わります。
「今持っている身体の特徴」と捉えると分りやすいと思います。
このうち、どれかのタイプにピッタリ当てはまる人もいますが、例えば
と言うように合わせ持っている人もいます。
ふだん現れやすい症状や、不妊の原因はこれらのタイプと大きな係わりがあります。
体質によっても用いる薬やサプリメントが違ってきますので、ぜひチェックしてみて下さい。
「 陽気不足 」タイプ
身体のエネルギーである気が不足し、身体を温めるエネルギーである腎陽の機能が低下した状態です。
「 痰 湿 」タイプ
身体の中に余分な水分が溜まっている状態です。
この他、湿熱という状態が絡んでいる場合は、黄色いおりものがある、性感染症を起こしやすい、ニキビができやすいといった症状を伴います。
「 血 虚 」タイプ
身体に栄養と潤いを与え、妊娠に大きな関わりのある血の量が不足したり、機能が低下した状態です。
「 気 滞 」タイプ
身体のエネルギーである『気』の巡りが悪くなった状態です。
「 陰虚火旺 」タイプ
身体に必要な潤いである陰が不足した状態です。
「 ?(お)血 」タイプ
血のめぐりが悪くなった状態です。
※(抗リン脂質抗体症候群は、血液中に抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体や、ループスアンチコアグラント)という自己抗体が証明され、習慣性に(2回以上)流産を起こしたり、動脈や静脈の中で血の固まりが出来る血栓症(脳梗塞、肺梗塞、四肢の静脈血栓症など)を起こしたり、血液検査上で血小板が減少する、というような症状や所見をきたす疾患です。)
あなたの漢方・中医学的な体質はどのタイプでしたか?
何かわからない事や、質問したいことがありましたらお気軽にご連絡下さい。
周期療法をご存知ですか?
約30年前から使われ始め中国漢方で最も有効かつ良く応用されている不妊治療法です。 この周期療法は今までの療法とは異なり1ヶ月同じ漢方薬を服用するのではなく月経周期の ①月経期、②卵胞期、③排卵期、④黄体期という4つの時期に薬を使い分けるのが特徴です。 (中には使い分けしない場合もあります) |
【 月 経 期 】
不要になった子宮内膜をスムーズにスッキリ排出させる為に活血化お血等を強化します。
【 卵 胞 期 】
卵子の成熟を促して、より良い卵子を作り更に受精卵が着床しやすいようにより厚い子宮内膜を作る為に、補陰薬養血薬などを強化します。
【 排 卵 期 】
卵子がスムーズに排出され、すばやく卵胞を黄体化させるために理気活血薬、補腎薬などを強化します。
【 黄 体 期 】
子宮内膜の分泌を促進し、受精卵が着床しやすく、さらに受精卵に十分な栄養を送り込む為に補腎薬を強化します。
※ 周期療法について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談にいらして下さい。
生理が始まった日から完全に終わる日までをいいます。
排卵期に受精しないと、12日程高温期が続いた後、高温期を作っていた黄体ホルモンの分泌が止まるため、子宮内膜へ血液の供給が トップし、内膜の一部が壊死して剥がれおち、月経血となって出血します。
期間は7日前後(3~10日程度なら正常)、1~3日目まで量が多く、その後量は少なくなっていきます。
月経血の色はやや暗めで固まりはなく、生理痛はない、もしくは軽いのが正常です。
受精卵に栄養を与え、適度な体温を保つため、子宮内膜には血液が豊富に含まれています。
この血液が子宮内膜と一緒にきれいに排泄されないと、次の低温期に新しい内膜が再生されにくいだけではなく、子宮内膜症や子宮筋腫を引き起こす要因にもなってしまいます。
子宮内膜が完全に排泄されるように、冷たい飲み物や生食、露出の多い服装を避け、子宮内を温め血液循環を良くすることが大切です。
また血により、膣内が酸性ではなくなるため、細菌やウイルスの子宮頸管内への侵入が容易になります。
子宮内膜の基底層もむき出しの状態なので、体を清潔にし、ストレスや過労などを避け、摂生に心がけ、病原体の侵入を招かないようにしましょう。
月経期の性行為は、不妊の原因の一つである精子抗体(傷ついた内膜から精子が血液中に入り込み、異物と認識され、抗体が精子を攻撃するようになる)を引き起こす可能性があるとも言われているため、なるべく避けた方が良いでしょう。
● ビタミンE : 血管を拡張して血行をよくし、脳下垂体に働きかけて性ホルモンの分泌を促します。
● ビタミンE配合食品 : ナッツ類・カボチャ・ホウレンソウ・紅花油など。
● ビタミンB群 : 特にビタミンB1、B6。内分泌を調節します。
● ビタミンB1 : 豚肉、ごま、大豆など。
● ビタミンB6 : 牛レバー、まぐろ、にんにくなど。
低温期とは、月経が終わってから体温が上がるまでの期間を言います。 この時期は卵巣内で1個の卵胞が成熟し、子宮内膜は卵胞ホルモンの作用で新しい内膜を増殖します。
子宮や卵巣にたっぷりの栄養とホルモンを供給するのが大切。
女性の身体は脳下垂体や卵巣から分泌されるホルモンの働きで維持されています。
これらのバランスが崩れると何らかの支障があらわれてきます。周期療法はこれらのバランスをとる手助けをしています。 周期療法を行う際、私たちは特に低温期をとても大切に考えています。
低温期は短すぎても長すぎても好ましくありません。約7~10日間で卵胞は18~24mmに育ち、内膜の厚さは10mm以上になるのが理想的です。
この時期は月経で失われた血液やエネルギーを補い、卵胞や子宮内膜に栄養豊富な血液を行き渡らせるために、たっぷりの栄養とたっぷりの睡眠をとることが大切!周期療法ではこの時期、「血(けつ)」や「陰(いん)」を補う事で卵胞の成熟と子宮内膜の回復を助けます。
また、適度な運動と精神的リラックスも重要です。夜更かしは禁物!! また身体を冷やさないようにし、できるだけ温かい物を取りましょう!
● アミノ酸が豊富なもの
∟ 肉、魚、魚卵、大豆類、鰹節
● ビタミンが豊富なもの
∟ ビタミンA・・・にんじんなどの緑黄色野菜
∟ ビタミンE・・・かぼちゃなど
∟ ビタミンC・・・レモンなど
● ミネラルが豊富なもの
∟ ピーナッツ、くるみ、牡蠣、レバーなど
一般に排卵日とは、低温相の最後に、低温相の体温より一段低い値を示す体温陥落日を指すと言われています。
しかし、実際には人により幅があり、排卵日を確実に言い当てることは難しく、この体温陥落日の前後2日を入れた5日間を排卵期として考えます。
排卵時期を知るには体温表だけではなく、おりものの量からも判断できます。
排卵前は、卵の通りを良くするためにおりものの量が増え、卵の卵白のように半透明で粘稠を帯びるようになりますので、この変化で排卵を知ることができます。
低温期に大きくなった卵胞(直径18~22mm)が卵巣から排卵され、卵管を通り、子宮内に押し出されます。この時、精子と出会い、受精が行われると受精卵となります。
妊娠のしやすさでは、卵子は排卵後24時間、精子は2、3日生存すると言われていますので、体温が上がりはじめてから性交しても、時間がたってしまい受精が難しくなります。 ですから排卵予定2日前~排卵日が最も受精の可能性が高くなります。
中医学ではこの時期、排卵がスムーズに行われるよう、活血薬(かっけつやく:血液循環を良くし、排卵を促す)を服用します。 特に、多嚢胞性卵巣や卵管癒着、子宮内膜症などがある方は、卵子が卵巣から出にくかったり、卵子が卵管に詰まりやすいため、排卵期の対策が大変重要になります。
またこのような病気が無くとも排卵痛がある方や排卵後体温が上がるのに2~3日かかる方は養生が必要です。
● 香りの強い食べ物
∟ 香菜、タマネギ、ニラ、セロリ、サンザシ茶、紅花茶、ハトムギ茶
高温期(黄体期)とは、体温が上がる周期後半の約2週間を言います。
この時期は受精卵を着床させ育てるための準備をします。 黄体ホルモンの作用で、たっぷり栄養を含んだ血液が子宮内膜へ送り込まれ、受精卵のために、ふかふかの子宮内膜が用意されます。
卵胞が黄体に変化し、黄体ホルモンを分泌します。黄体ホルモンは妊娠に備えて子宮内膜へ血液量を増やし、子宮内膜をふかふかに保ち、また体内の栄養素の燃焼を高め、体を温め、高温期を保ちます。
基礎体温が低温期より0.3~0.5℃高く維持され、12日間続くのが理想的です!ふかふか・ぽかぽかの内膜があれば、受精卵が着床しやすくなり、妊娠します。 そうでなければ、内膜がはがれ、また月経が起こります。
中医学ではこの時期を、陽気が支配する時期と考えます。「血(けつ)」や「陰(いん)」を補いながら「気(き)」や「陽(よう)」を補い、陽気を助けることが大切です。
またこの時期はイライラ、憂鬱、胸が張る、などが起こりやすいので、なるべくストレスをためずに、ゆっくり、リラックスすることがとても大切です!
● 紫蘇や春菊などの香りの強いものは、イライラしやすいこの時期のストレスを発散してくれます。
※ 「症例・体験談」で紹介している症例内容は、あくまで参考程度にして下さい。
※ 服用薬の効果は個人の体質・症状によって変わります。
※ また、「経過」についても個人の体質・症状などによって変わります。