かぜを引いたときに、その細菌やウイルスが副鼻腔まで侵入し、粘膜に炎症が起きて、それが治りきらないまま放置して慢性化する場合です。
ハウスダストやダニなどによるアレルギーで、副鼻腔に慢性的な炎症が起きてしまう場合です。
細菌やウイルスの感染により副鼻腔の粘膜に炎症がおこり、鼻腔と副鼻腔をつなぐ孔(あな) が塞がれることで副鼻腔に膿(うみ)が溜まった状態を急性副鼻腔炎といいます。
急性副鼻腔炎を放置してしまったり、何度も繰り返すと慢性副鼻腔炎、つまり蓄膿症になってしまいます。
近年、花粉やハウスダストに対するアレルギーによって副鼻腔の粘膜が炎症をおこし、蓄膿症につながることが増えています。
鼻の中は「鼻腔」という穴があり、この鼻腔とつながっている顔面の骨の中にある空洞を「副鼻腔」といいます。
副鼻腔は薄い粘膜で覆われていますが、鼻の粘膜は常に外気にさらされているので、感染がおこりやすい状態にあります。 しかし、粘膜から分泌される粘液によって細菌などの侵入を防いでいます。
ところが、風邪などのウイルス感染症によって粘膜が障害されると、抵抗性が弱まり、さらに細菌などが感染して炎症がひどくなります。 そして、炎症によって引きおこされる反応によって副鼻腔に膿が溜まります。
粘膜が腫れることにより鼻がつまります。 特に睡眠中に鼻づまりがひどくなるので、「寝ているときに口呼吸になる」ことが多いものです。
【鼻汁がでる】
鼻汁に膿が混じるため、ネバネバした黄色っぽい鼻汁がでたり、鼻汁がのどに下りたり(後鼻漏)します。
【頭重・頭痛が起こる】
副鼻腔の一つである前頭洞にまで広がってくると、ズキズキした痛みではなく、重苦しいような圧迫感になります。
【においが分からなくなる】
鼻がつまってにおいが分からなくなるだけでなく、においを感じる嗅細胞が変性して、においを感じられなくなることもあります。
蓄膿症は、中医学では鼻淵・脳漏、または脳滲と呼ばれます。 古人は鼻の奥深いところを脳とみており、脳漏・脳滲は脳から膿などが流れ出てくるものと考えていたようです。
▼ 蓄膿症は、大きく分けて4タイプに別れます。
細菌やウイルス感染などにより肺に熱が侵入します。そうすると、肺の働き(呼吸以外に水分代謝にも関わりがある)が弱まってしまい、鼻詰まりや頭痛などの症状があらわれる状態です。
情緒の変動により、肝胆の疎泄(気の流れを調整する)機能が失調すると、肝胆の気の流れが滞ることで熱が発生します。
発生した熱は肺を傷つけ、黄色く粘りのある鼻汁があらわれる状態です。
飲食の不摂生などにより脾胃(胃腸)に湿熱が停滞すると、脾胃の働きが弱まります。
脾胃に停滞していた湿熱が胃の経絡(鼻の側を通る)にそって上行すると、鼻腔が塞がれ、黄色くて濃い鼻水、悪臭のある鼻汁があらわれる状態です。
脾の働きが弱まることで気(エネルギー)・血(血液に近い)が充分に作られず、肺気も不足するために体表を防衛する力(衛気)が弱くなります。
その結果、邪気が次々に侵入して肺を犯し、咳、くしゃみ、鼻詰まり、鼻汁などの症状があらわれる状態です。
※ 「症例・体験談」で紹介している症例内容は、あくまで参考程度にして下さい。
※ 服用薬の効果は個人の体質・症状によって変わります。
※ また、「経過」についても個人の体質・症状などによって変わります。